当院は開院から50周年を迎え、現在の地に移転してから40年近くが経過しました。地域の皆様にとってかけがえのない病院であり続けるよう、弛まぬ努力を続けて参りました。2022年に社会法人 中山会 宇都宮記念病院のグループ病院となってからは、変革の時期も経験しました。病院としての役割も一般急性期と療養病棟におけるケアミックスの体制となり、救急、一般急性期、一般病棟と、長いスパンで患者様を受け入れる病院へと生まれ変わりました。
私自身が看護教員の経験もあることから、現在は人材育成にも力を入れています。私の理想は「患者様とご家族の気持ちに寄り添える看護師を新人の頃から育成していくこと」です。療養病棟はゆとりをもって人材育成に取り組めますが、急性期はともすると業務に追われがちです。しかし私たち看護師が対峙し、寄り添っていくのは患者様やご家族です。患者様と看護師、人対人として向きあっていく上で大切なのは、相手の気持ちを鑑み、寄り添い、そして互いに小さな成功体験を繰り返していけることではないでしょうか。看護師で良かったと感じ、看護師としての自分に自信が持てるようになれば、次第に気持ちに余裕が生まれ、患者様、ご家族、そして共に働く仲間にも目が行き届くようになります。看護という生き方を選んだ新人看護師や、中途採用の皆さんをしっかりと育成していける、ゆったりとした環境づくりが現在の私の責務であると感じています。
当院はまだ発展途上にあります。看護師個人が持つ考え方や経験値を活かしながら、看護部が一丸となって新しい病院環境をつくり上げようとしているところです。旧体制から引き継いできた業務の見直しを行い、患者様とのかけがえのない時間を大切にしていきます。 そして、看護師としてさらなるスキルアップを目指したい、患者様や地域のためにもっと高みを目指したいという皆様を、全力で応援していける病院であり続けたいと願っています。
看護部長 駒場 久美子